冷凍庫に保管した冷凍食品の袋がパンパン膨らむ理由

たまにお客様から「冷凍庫に保管していた商品の袋がパンパンに膨らんでいるのですが・・・」という問い合わせを受けることがあります。

ご家庭の冷凍庫でも、しばらく保存していた冷凍食品の袋が気づけばパンパンに膨れていることはありませんか

今日はその理由をご説明いたします。

膨らむ原因としてまず考えられるのが「昇華」という現象です。

冷凍庫の開閉などで庫内温度が変化すると、冷凍食品の表面に付着していた細かい氷が蒸発し、袋の中の空気の体積が増加することで膨らみます。(この「氷から水にならずに直接気体になる現象」を昇華といいます)

そしてもうひとつ原因として考えられるのが「袋のピンホール」です。

冷凍庫の扉を開け、外の外気と庫内の冷気が入れ替わってから扉を閉めると、瞬間的に庫内の圧力は下がります。

すると、中にある袋は密封されているので膨らみます。(高い山に登った時や飛行機の中で、お菓子の袋が膨らむのと同じ現象です)

その後、庫内の圧力は徐々に元の気圧に戻りますが、この時に袋に微妙なピンホールがあると、ピンホールを通して袋の中に空気が入り込みます。

こうして扉の開閉を何度も繰り返すことにより袋がだんだんと膨張していきます。

このピンホールの大きさも、小さいと空気の出入りがほとんどないので膨張せず、大きくても空気の出入りが自由なので膨張せず、微妙な大きさのピンホールがあると膨張現象が起きてしまいます。

調べるとピンホールの原因もいろいろあるようです。(屈曲・摩擦・衝撃・突刺)

目視では分からない微小な穴で、いつも必ず起こるわけではなく、従って膨張現象も起こる袋と起こらない袋が出てくるとのことです。

以上、冷凍庫の冷凍食品がパンパンに膨らむ理由としては「昇華」「袋のピンホール」が原因と考えられます。

「冷凍庫の扉の開閉による庫内の温度変化」が繰り返されることが昇華や袋のピンホールから空気が入り込む原因になりますので、冷凍食品を長期間保存する場合には、なるべく扉の開閉が少なく庫内温度の変化が少ない場所で保管してください

上記が原因の膨らみであれば、袋の中の気体はほとんど空気と水蒸気ですので、通常通り召し上がっていただいても問題ありません。

しかしこれは「冷凍庫内の充分な温度管理がされていること」が条件ですので、もし常温に長時間置かれて膨らんでいるような場合には、解凍して腐敗しガスが発生している可能性もありますので、この場合には召し上がらないようにしてください。

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